国会議事録に見る米軍駐留時代の大阪市立大学 米軍接収時代その3

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第019回国会参議院文部委員会議事録(5)
(1954年9月16日)
国会議事録検索システムの検索結果からダウンロード、その一部を抜粋・編集して掲載。
誤字・脱字は、ダウンロードした文書のままで、上記表題は本サイトによる。

(本サイトによる前略)
○説明員(福島愼太郎君) 大阪市立大学の解除の問題に関しましては、先般の当委員会で御質問もございましたし、又委員会の決議も頂戴いたしましたし、その後アメリカ側との交渉も続けておるわけでございますが、その間委員長初め委員の皆様がたアメリカ側の相当の参謀次長スミス少将とも御交渉になりまして、それらの結果をフオローいたしまして、私ども交渉を続けておるわけでございますが、現状は先般申上げました事態よりは若干の進歩を示しておると申上げることはできると思いますが、それは先般委員長とスミス少将と御会談になりました際にも、先方ちよつと触れたわけでございますが、その後はつきりいたしましたことは、かねて御報告申上げておりますように、来年十月頃を目途として商大の接収解除という問題を実現するようにすると、かねて申しておりましたのが、来年の半ば頃までに何らかの処をしたい、多分できる予定である、今日それを確定させて発表するというわけにはまだ来ておらないけれども、来年の半ば頃を目途として処置できるという事態に特つて来るようにしたい、そうして又アメリカ側としては大阪商大の返還という問題をアメリカ軍の現在持つておる重要な問題の一つとして熱心に検討をするという態度は、これをはつきり声明して差支えない、今後返還諸問題に関する問題の中で大阪市立大学の問題を優先順位第一の問題として今後とも処理を続けて行く、こういう言明をいたしまして、私どもは来年中にはあくというアメリカ側の意向であるということをかねがね申上げておつたわけでありますが、時期的に来年半ばという線が、それまでに行われておりました十月、十一月という線から時期がはつきりして参りましたし、半ばという意味は、六月頃という意味は恐らくアメリカ側の予算会計年度の切目という意味であると考えますが、アメリカ側で来年中に何とか処置をしたいという方針は確認できるのではないかと考えております。これに関連いたしまして、それまでに何らか処置をしておく問題として、現状の環境を一部でも改良する、中央にありますチヤベルとか、消防車の置場とか、その他二、三の建物の部分を解除する、中央の道路を解除する、門の市を付け替える、満堂の裏側の塀を付け替えるといつたたちの問題につきまして、これは実を申上げますと当委員会までに完了をさせて参る予定でありましたが、現地部隊から大体その旨の報告が参つたのでありますが、一部気に入らないとろもありまして、ちよこちよこした解除をたび重ねることも如何かと思いまして、アメリカ側にその修正方を要求いたしまして、司令部はこれに賛成いたしまして、現地部隊に一応書類を返した、司令部の指令通り計画を立て直すという書類を返しましたために事務的の手配は少し遅れましたが、そういう事務上の経過も経ておりますので、現状の環境を若干改良するという部分的な問題につきまては極めて最近の時期に処置が完了するものと考えております。従いましてそれやこれや考え合せまて、来年半ば頃までにはアメリカ側がこれについて善処する、解除するという問題の見通しはほぼついたものと御報告申上げる次第であります。

○説明員(湯川盛夫君) この問題につきましては私の前任者の時代から調達庁の福島長官と緊密に連絡をして、できるだけ努力をして来たのでありますが、最近の経過は只今調達庁長官から説明申上げた通りであります。我々としては今後もできるだけ早く解除されることを期待いたします。

○荒木正三郎君 若干質問したいのですが、いいですか。

○委員長(堀末治君) どうぞ。

○荒木正三郎君 只今の説明を聞いておりますと、やはり前回までの折衝経過と殆ど変つていないように思うのですが、若干十月頃には何とかなるのじやないか、こういうのが六月頃に何とかなるのじやないか、こういうことなんですが、この何とかなるのじやないかということだけでは、どうも我々としては困るわけです。その点、質問というよりは私はこれだけの説明では当委員会としても、そうですかと言つて済ますことができないと思うのですがね。これは質問というわけではないが、そういう意味で私はもう少し当委員会としてこの問題について、協議してもらいたいと思うのですがね。

○相馬助治君 結論的には荒木君と同じなんですか、私はやはりその前に調達庁長官と協力局長質すことがあつたら質して、然る後に荒木委員が申されたような段階に至つてこの問題を取扱つて欲しいと思う。
 今の福島長官のお話からお尋ねしたいことがあります。何せ相手がよその国で、相手ある仕事のの交渉ですからなかなか大変であろうことは十分我々も推測しております。従つて今までの交渉を私は非常に御苦労だつたと思います。併し今のお話ではやはり判然としないところがあるのでお尋ねしておきたいのですが、来年の中頃に大体解除になるであろうというのは、ただそれだけの話なのですか。それとももう少し具体的に、例えば非常に厖大な施設費を使つてあれだけの施設を完了して行く、従つてこれを解除する場合には別途日本政府とこれらの費用についても話合いが問題として残るのであるが、というような意味合い等も話の過程に出て、そうして結論的には来年の中頃までには何とかなるであろうということになつたのですか。そういう細目的な具体的なことはこの際触れずに、一応結論的に、先ほど福島長官がおつしやつたような結論になつたのですか。この辺を一つ第一点として明瞭にして欲しいと思います。

○説明員(福島愼太郎君) その点はキヤンプ、サカイと申します大阪市立大学のもとの校地並びにそれに接続いたします民有地に相当厖大な施設が注ぎ込まれたことは事実でありますけれども、これは終戰直後からやりましたもので、今日までかなり長い間これを使つたわけでありまして、その任務は、この際急に大きな経費をかけてこれをあけるという問題ではなくして、八年も九年も使えば相当の任務はすでに済んでいるのではないかと考えておるのですが、これらの施設をほかに動かしてという問題につきましては、これは前の伊関局長時代から日本側でアメリカ側のために代替建築をするからという提案を再三いたしましたし、その頃から明らかになつているのでありますが、アメリカとしては代替の建造ということには興味は持たない、と申しますのは、その頃から来年の十月という話が行われたのでありますが、十月頃にはあけて返還するという可能性が強いから、代りのものは、もういらないのだという話を繰返しいたしておるわけでありまして、従いましてこの建物を明けるから、それに関連した建造とか若しくは経費とかというような話は、それ以来問題になつておらないわけでありまして、先方の申します来年の半ば頃以降から軍隊の移動というものは開始される、その際には第一順位の問題として優先的に考えるということは、単純にあけるという意味に理解している次第であります。

○相馬助治君 先方のおつしやつたことそのまま、我々に発表になつただけではなくて、月本側の判断を加えての只今までの報告だと、こう思いますが、従つてこの際明らかにしておきたいことは、先方とおつしやるのは、アメリカ側の如何なる地位にある、何とおつしやるかたの回答なのですか。この際明らかにしておきたいと思いますので、念のために、お尋ねします。

○説明員(福島愼太郎君) この種の施設の提供解除の関係は、日米合同委員会の一環をなしておりますところの、施設特別委員会で処理するということになつておりまして、施設特別委員会のアメリカ側の代表の海軍少将でありますスミスという人と交渉しております。今日までご報告申しております内容も、スミス少将の口から出たわけであります。スミス少将は施設特別委員会の米国側代表であると同じに、極東軍司令部のG・Sと申しますか、兵站関係担当の参謀次長ということでございますので、これらの問題に関して、権限を持つ正当なアメリカ側の代表者と考えております。

○相馬助治君 従つてそのことはミスター・スミスと日本政府の意思が合意した場合には、他の何らの支障なくその意思は実現すると判断していて差支えないのですか。

○説明員(福島愼太郎君) 施設委員会で合意に到達いたしますれば、事、施設に関する限りは、なお日米今回委員会の本会議に付議するという手続は残りますけれども、施設委員会の決定通り、大体承認されるということは間違いないと考えます。

○相馬助治君 その際日本政府側の最終的な意思を代表して、それらの決定に当る責任者はどなたですか。

○説明員(福島愼太郎君) 施設特別委員会に関します限りは、日本の政府代表は、調達庁長官であるところの私でございます。

○相馬助治君 その点はよく了解しました。今、後段に長官から報告されたことについて具体的にお聞きしたいと思います。それは、来年の中頃には解除になるが、それまでの暫定措置として、何らかの施設の一部変更を今話合つている、こういうことですが、それに対しては一つの大きな問題があろうと思うのです。私ども現地を見ましたが、あの教会が突き出ているようなところは一日も早く除去されなければならんと思いますけれども、大阪の市当局の諸君、学校当局の諸君の意思を総合してみますと、あの使用に不便なところに取払つてもらいたいのはやまやまだが、そういうもの取払つたということが口実となつて、最終的に解除が延期されたり、或いは又期限の発表がなお不正確になるというようなことならば、具体的に言うならば僅かの期間ならば不便をも耐え忍んで一挙に解除してもらいたいのだ、こういうことをまあ言つているわけです。従つてそれらの問題は福島長官はよくご存じですから、それらの空気のあることを十分お察し下さつた上で、私の質問に一つ御回答願いたいのですが、日本側政府として具体的にどのような一部変更を希望し、それに対してどのような返事があり、そうしてどういう点が両者の意見が相違しておるのか、現在の交渉の段階を一つお聞かせ願いたい。

○説明員(福島愼太郎君) この一部変更の問題につきましては、先ず第一に考えましたのは、両者のアメリカ側のキヤンプと学校の門の所在地の関係でありまして、これはその側に電車の線路が、走つておりますので、門の位置なとが自由に付けられないという不便がそこにもあるわけでありますが、真中におります大きな道路を閉鎖いたしまして、これを接収地内として、その道路の正面にアメリカ側の門をつけてある。学校の門はその門と殆んど接触してすぐ脇に九十度の角度で直角についておる、こういう状況になつておりますので、入口が非常に接近しておるということで、まあ何らかの間違いが起るというよりは、お互いに面白くないであろうということ、そういう意味で学校の門はもう動かす余地がないのでありますから、軍側の門を反対側に持つて行くとか門の位置をまず以て動かせという、それから中央の道路を、これは公道でありますから、これを解除して公道に復活するという、そういたしますと道路の南側についておりました垣根が北側に付け替えられなければならない。そういたしますと学校の現在これは西側でございましようか、運動場の隅つこに付いております門が真中の道が復活すればもともと通りの学校の門の場所へこれを付け直すことができる。そのためには、伴しながら同じに真中のチヤペルその他の地域をあけなければならないということと、それと裏側にあります野球場と学校との間に金網の塀がありますけれども、これが如何にも講堂の入口へくつ付き過ぎておる。三尺ぐらいしか離れないで講堂の入口の階段の前に付いておる。向う側は野球場との間の空地というものは相当にあるんであつて、これを十尺、十五尺動かしたところでアメリカ側には何ら痛痒のない問題で、学校のほうはこれが動くことによつて講堂を正面の入口から利用することができるようになる。そういう意味でその金網の塀の付け替えを要求しておる。それと先般来今申上あげております運動場の南側に拡がつております、まあ先方は練兵用に使つておりますが、空地を若し万一学校側で臨時にでもバラツクその他の増築その他の必要が起つた場合には、当面運動場の方面へ延びて来る以外に方法がないわけでありますから、運動場のために用地を残す意味でその空地の問題を何とか考えて欲しい。これがまあ当面我々の提出している要求であるわけです。それにつきまして現地の部隊としては門の付け替えということに応じておる。それから又裏側の塀を直すということについてもこれはまあ大して犠牲を払うわけじやありませんから、これは簡単に応じておるわけでありますが問題は空地の問題が先方としては応じかねるということ、今のところでは応じかねるということを言つておるわけです。それで真中の道路のステータスがはつきりしない。公道として復活させるのか、それともまあ閉鎖したままにしておくのか、これはまあ解除させましたところで、学校が使うわけではありませんから、当面学校の用地の中に納入するというわけの問題ではありませんので、多少アメリカ側と考え方の齟齬した点もあるかと思いますけれども、我我としてはやはり一応あけ返してもらいたい、そうしたほうが学校の正門は元の位置へ戻ることができる。又アメカリ側のほうは元の位置へ戻らなくても現在の門の位置をもつと便利な位置に変えればいいだろうという考え方もあるだろうと思いますが、まあできれば私どもとしては多少でも環境を改善する意味で、学校の正門の入口というものを元の状態に復したい、こういうようなことで若干意見の合わないこともあります、部分的に。全部先方が、現地部隊が蹴つておるわけでもありませんけれども、これはやはり一気にやらないと小さい交渉を繰返しておるようなことになつても困りします。幸いにしてこの極東軍司令部としては日本側の要求に全部賛成いたしまして、現地部隊の回答をそのまま返えそう、再考を指令しようということになりましたので、撤回しでもらつたという状況であます。

○相馬助治君 突出分、チヤペルの部分はこちらの要求が通りそうなんですか。

○説明員(福島愼太郎君) ええ、チヤペルの部分につきましては、これはまあ大体解除して来るだろうと思つております。

○相馬助治君 その現地部隊とこちら側とのこの命令関係なんですが、現地部隊は車の便宜というので最終的に一部変更を否認する権利を持つておるものと見るべきですか、さようなるものはないと見るべきですか。

○説明員(福島愼太郎君) 現地部隊とこちらの我々の交渉相手の指示系統の関係でありますけれども、これはまあ我々極東軍司令部に、その参謀次長に交渉しておるわけでありまして、極東軍司令官に交渉しておると基本土考えておるわけであります。それの構成分子である米国陸軍、そうして又その一部隊であります西南軍司令部を通じてでございます。それを通じましてキヤソプヘの命令系統は徹底しておるはずだと考えております。

○相馬助治君 非常に御努力になつていらつしやることはよくわかるのですが、結論的には荒木委員が申された通りどうも考えざるを得ないですが、この点は一点念を押しておきたいと思いますが、このミスター・スミスと福島さんとの間に、できるなら公式に、又慣例上さようなるものは公式に文書を交わすのが不可能であるとするならば、私文書的なものでも何らかの文書交換が行われ得ないものですか。いわゆるこのことは要求しても無理であるから要求しないとするものなのか、要求したけれども拒否されるであろうということが、もうはつきりしておるから要求しないでいるのか、現に要求したけれども駄目だつたというのか、この辺を、私わからないからお尋ねしておきたいのですがね、私としては良識あるスミス氏と良識ある福島さんとがいつまでもその職にあるならば非常に有難いことだが、誠に失礼ながら吉田内閣そのものもいろいろな意味で重大な問題を遭遇しておる折からでもあるので、やはり大学側の立場を考えると、何らかの担保が欲しいわけなんです。従つてそういう文書が与えられないのかどうか、これが質問の第一点です。不幸にしてて与えられない場合には、今のミスター・スミスと幅烏さんの会談を速記した議事録めいたもの、いわば後日の証拠にかくくのごとき話合いがあつたという意味で当委員会あたりが本日の福島さんのおつしやつたことの速記の裏付けとして出し得るような、何か現物の証拠品めいたもの、こういうものがあるならば有難いことであり、荒木さんがおつしやつたような心配もなくなると思うのです。これらについてはどのようなことになつておりますか。一つお尋ねしておきたいと思います。

○説明員(福島愼太郎君) 日本側の大阪市立大学を全面的に解除してもらいたいという要求は、これはもう文書で出ているわけでございますが、施設委員会に出ているわけでございますが、それに対する先方の文書による回答はないわけでございますが、ただ会議の席上、公式にこの問題は先般申上げました通り、来年中には解決させる予定であもから了承して欲しい。それまで、できるだけ早い時期に、その来年中には解決するというのが何月何日であるということは至急に努力して回答するようにしようということは、会議の席上では報告があるわけであります。
 それから部分的な解除の問題につきましては、これは文書による要求と先方の文書による回答が近々早期解決する予定であると考えております。

○相馬助治君 先例から申しましてこれはどうなつているのですか。文書によつて要請をしてある。会議の席上で口頭で返事があつたというのが現実なんですね。これは文書で以て、返答をしてくれということは、慣例上その他から見て不可能なんですか。

○説明員(福島愼太郎君) 大阪市立大学の全面解除の文書要求を出しまして、今日の状態において先方が、これはまあ解除を今日の状況において解除することはできないという拒絶して参るよりも、そういう面で回答のできるように全面的に努力はして見るが、今日の状況ではこうなつておるのだということを、取りあえず口頭ではありますが、公式に説明するというほうが、文書による要求に対して文書で意に副いがたいという返事をして来るよりはましであると私どもは考えております。

○相馬助治君 その辺の事情についてはわかりました。今会議とおつしやつたのですが、それには議事録のようなものはあるのですか。それは公開されておりますか。

○説明員(福島愼太郎君) 議事録はございます。公開はいたしておりません。

○荒木正三郎君 日本側とそれからアメリカ側とが意見が一致しない場合、そういう問題はどういうふうに処理されれて然るべき問題か、お尋ねしたいと思います。それは市立大学については文書を以て全面的に解除をしてもらいたい、こういう要求をしているのです。これは日本側の意思であると思います。ところがこれに対してアメリカ側は、十分な回答をよこしておらないというのが現状だとうと思います。明らかにこの間双方の考え方に意見の一致を見ていないわけなんです。こういう問題の処理はどういうふうにされるわけなんですか、条約上ですね。どういうふうに処置されベきと性質のものであるか、伺つておきたいと思います。

○説明員(福島愼太郎君) 施設特別委員会におきまして、日本側とアメリカ側が意見が一致しないということのお詰でございますが、我々のほうは全面的に解除して欲しいと言い、アメリカ側のほうではその要望に副えるような返事がしたいが、期日その他をきめるために暫く待つて欲しいということが大体返事の内容でありまして、従いまして我々としては、我々の側でアメリカ側に対する返事を甚しきに至つては一年くらい待たせることもよくある、新規提供等については拒絶することも待たせることもあるわけでありまして、アメリカ側でその間の十分な努力をいたしているということを我々が認めている限り、これを重ねて催促はいたししているわけでありますが、こちら側の申入れに対して同意した文書が書けけるように催促もし又待つべきであると考えているわけであります。決して日米の意見が施設特別委員会において決裂したとか対立したとかいいふうには今のところ考えておりません。

○荒木正三郎君 併しずるずると先へ延びて行くということになると、これはやはり意見が一致を見ないということとになるのじやないですか。

○説明員(福島愼太郎君) 意見が一致を仮にまあ見ないということがはつきりいたしますれば、提供してあるものにつきましは、外交上の問題は別といたしまして、施設委員会の問題といたしまして、返還を受けることができないということ又先方からの新たに提供をして欲しいという要望のあつた件について意見の一致を見なければこちらは提供しないということになるわけであります。

○荒木正三郎君 この際合せて、この間スミス代将ですか、と交渉された経過ですね、この際報告をしてにおいて頂きたいと思います。

○委員長(堀末治君) ちよつと私議事のとり運びをとり違えましてすぐ質問に入つたのですが、甚だ失礼いたしました。  実はこの間当委員会の決議によりまして、私ども調達庁でお会いいたしましたその経過を御報告申上げます。大阪市立大学校舎の接収解除の件について、八月二十八日外務省におきまして、私、劔木、加賀山及び高田委員が秋山外務政務次官、湯川協力局長と会見、本件に関する委員会の審議経過並びに大学の実情を縷々説明して善処を要望した次第であります。アメリカ側に要望すると同時にアメリカ側に対する申入れ手続について懇談をいたしたのであります。その結果、八月三十一日調達庁におきまして、私、劔木並びに加賀山、この三人が先ほどのお話のありました日米合同委員会施設特別委員会の米国側代表スミス海軍少将及び日米合同委員会事務局長タラント大佐、このおかたと福島調達庁長官の御列席を得ましてこの間各員配布いたしましたあの別紙のごとき趣旨を要望した次第であります。席上でスミス代表は、本問題については、米国側も重大な問題の一つと見ており、日本政府及び日本国民の関心事であり、又大学問題が小学校に影響を与えている事情もよく了解できるので、我々は施設問題中際優先に解決すべきものと考えている。併し今日の状態では、只今確たる約束をするほど進行していないが、来年の半ば頃までには確定案をお示しできるより努力する旨の回答があり、更に当方から、特に九月十三日は新学期開始時期である点を深く留意されて解決に御努力を望むと述べ、その点も向こうは大体了承して私ども散会いたした次第であります。
 その結果、先ほど来福島長官からいいろお話あつたような次第でありますから、どうぞ私どもの報告はこれで御了承をお願いいたしたいと存ずる次第であります。

○剱木亨弘君 只今委員長の御報告のあつた通りでございますが、それに関連しましてちよつと一言お尋ねしたいと思いますが、その席上で特に私から来年の半ばまでには決定するように努力するというお話を得ましたけれども、これでは実は今日においてはなお不確定な状態であつて、不確定な状態であればなかなか学生も大学当局も承服できないであろう、そこで早く解除してもらうことは最も望ましいことであるけれども、多少の時日は延びても明確に確定的な期日を若し米国側で言えないならば、日本政府で責任を持つて何日までは解除するというくらいなことはできないかということをお話したのでございますが、今日におきましても相当、私どもの会談の様子からスミス少将は相当減点を持つて解決に当るという様子は見受けられたと思いますけれども、なお第三者に対して、特に学校当局に対してはその点は、やはり未確定のままで残つておると思うのです。これを来年の六月まで待たなければ明言できないのか。それ以前にでもできるだけ早く期日を明確にするというような話合いが進んでいるかどうかということが一点と、それからその他のとりあえず応急的に処置する分でございますが、実は私大阪の様子はまだ行つておりませんのでよくわかりませんが、新学期が始まりまして学生も全部集つておつて、恐らく学生はこの本日の文部委員会の様子を注視しているだろうと思います。聞くところによりますればこの結果によつて或いは学生大会を開いて本問題を学生の間で論議するような気配も見えておるように聞いております。少くともこの応急対策は今までの経過によりまして、説明によつてよくわかつたのでございまして、非常に努力をされておるし又部分的の解除を一々やるのもいかんのでこの際書類を押返して、最後的な決定を待つているという状態もよくわかりますが、これもそう遷延してはますます混乱してしまよううな状態になるとも限らない。できるだけ早く解決して欲しいと思うのですが、大体その期日はお見通しとしてどのくらいまでには解決できるか。それを一つおわかりでございましたらお答え願いたいと思います。

○説明員(福島愼太郎君) 来年の秋頃までには曾つては何とかすると言い、委員長のお話がありまして以来は来年の六月頃までには何とかするということになりましたわけでありますが、それをその程度では困るので、六月末日なら末日ということで今日において、その計画を確定させて約束させることができるかという点は我々最も関心を持つている点でありまして、この点の話合いは常にしているわけでありますが、先方は今日すぐに来年の期日の案を立てられない、その努力はしているのであるが、案がはつきりしないということを繰返しているわけでありまして、併しながら先方といえども来年六月までに見通しを付ける、六月末まで待つて期日を定めて、例えば再来年になるのだ、そういう見通しで言つているのではないということは、これは交渉の前後のいきさつからよくわかつておりますので、六月頃までに片付くものであれば、それ以前にできるだけ早い機会に時期の約束をしてくれる筋合いであると考えております。今後とも部分的の解除その他の問題もございますけれども、根本になるのはその点、時期の点であると考えまして、これは熱心に交渉はするつもりでございます。その際と大体六月と言い、十月という見当が付いているならば、例えば日本政府の責任において十二月までには責任もつて解除するということを言えるかどうかという問題があるように考えますけれども、私どもといたしましては来年一杯と言い十月と言つていました問題が六月というところまで動いて来て参つたわけでもありますので、もう少し全面解除の問題につきましては、もう少し話を詰められるところまで、詰めてみる努力を、安全度をとり出して、おおまかな約束をする前にもう少し話を詰めてみたいと思つております。なお当面の問題を解決する部分的な解除につきましては、これはもう司令部から再度の指令が現地部隊に渡りましたわけでございますので、いつという時期を申上げる、日取を申上げるわけには行きませんけれども、毎週毎週やはり開催いたしております施設委員会のことでございますので、極めて近々の施設委員会で先方の御回答を得ると考えております。

○須藤五郎君 こちらから向うに解除を要求するときにいつ幾日までに解除をしてもらいたいという要求はしていないのですか。

○説明員(福島愼太郎君) 日取を定めていつ幾日までに解除しろというたちの要求はいたしておりません。

○須藤五郎君 なぜそれはしないのですか。日にちをきめてこちらは解除を要求するということをなぜされていないのですか。

○説明員(福島愼太郎君) 先方にも中に数千の部隊もいるわけでありますし、これがアメリカに帰らない限り、解除したということにになれば当然代りの施設が必要ということになりますので、日取をきめるということはできないのでありますので、やつておりません。

○須藤五郎君 その態度がおかしいのじやないのですか。学生が即刻返して欲しいということを要求しているし、又我々としては即刻返すべきだと思つているその施設に対して、向うの立場だけ考えてこちらの立場を抜きにした、そういう交渉の仕方それ自体に問題があるのじやないか。こちらはやはりいつ幾日までに学生が返して欲しいということを要求しているならば、あなたがそういう強い熱意を感ずるならばやはり今年末十二月一杯で返して欲しいとか、来年の新学期の前三月一杯で返して欲しいとか、あらかじめ日をきめて、そうしてこちらは要求すべき性質のものじやないですか、どうですか。

○説明員(福島愼太郎君) 中に兵隊その他が存在いたしております限り、これらの行き所の案が立たなければ、その点について話が進行しないで、日取だけきめるというわけには行かないたちの問題であると私ども考えております。

○須藤五郎君 あなたはアメリカの兵隊の立場ばかり考えて日本の学生の立場を少しも考慮されていない、日本の学生の行き場所がないよに、なぜアメリカの兵隊の行き場所をお考えになるのか、我々として考えなくちやならないことは先ず日本の学生の行き場所を考えるべきじやないか。そういうあなたたちの態度がアメリカをして横着千万なことをさしていてそうして言を左右にして十月とか六月、そんなことを私たち信用して、まに受けて、学生に報告するというようなことは到底我我としてできないと思います。なぜもつとはつきり交渉しないのですか、どうですか。

○説明員(福島愼太郎君) 我々の交渉態度が間違つているとは考えておりません。

○須藤五郎君 間違つているよ。

○荒木正三郎君 これは主として施設特別委員会で話を進められているようでありますけれども、合同委員会のほうはどういうふうになつておりますか。

○説明員(福島愼太郎君) これは合同委員会で伊関局長がおられた時分に再三再四合同委員会で殆んで毎回のように議題になりまして、催促その他の交渉が行われた問題でありますが、最近その原則的な解除に努力するという面につきましては、合同委員会の段階としては見通しが付きましたので、その時期その他の関係で主として施設委員会で討議を続行しているという形でございます。

○荒木正三郎君 そうするとし設委員会のほうは技術的な問題を討議するという性質になつているのですか。合同委員会との関係ですね、どういうふうになりますか。

○説明員(福島愼太郎君) 施設委員会と申しますのは、最近に設立されたわけでありまして、過去におきましてはこの種の問題を合同委員会で直接討議しておつたわけであります。本年の初めからこれらの問題を、施設関係の問題が合同委員会中、特に分量も重要性も多いものでありますから、施設特別委員会というものを合同委員会中のほかの分科会よりは少し区別いたしまして、多少のスケールを大きくいたしまして、本年初めから合同委員会の問題の中で施設に関連する一切のものは施設特別委員会で先ず以て討議するということにきめたわけでありまして、ここできまるかきまらないかいたしますれば、合同委員会に上つて来るということになるのであります。

○荒木正三郎君 そういたしますと、施設委員会で意見の一致を見ない場合は合同委員会としても取上げない、こういうことになつておるのか、或いは施設委員会でなかなか結論が得られないという場合は、合同委員会で解決できるというふうになるのか、その点ももう少し説明を願いたいと思います。

○説明員(福島愼太郎君) それは私から如何かとも思いますけれども、施設委員会でやつて、正当に施設委員会に継続中でありますれば、施設委員会が結論を得たとか或いは公式に結論を得ないとかいう報告をいたしますれば、合同委員会は当然にこれを取上げることになるのであります。

○荒木正三郎君 それでこの問題は私は政治的に解決を要すべき性質を持つておると思うのですがね。そういう面から考えてもう少しまあ大局的と申しますか、そういう立場から解決するというような方法は考えられないものかどうか。

○説明員(福島愼太郎君) どういう御趣旨でございますか私では駄目だからほかのもつと上級の人にやらせろという御趣旨でございますか。

○荒木正三郎君 いや、私はそういう意味で言つておるのじやないんですよ。この問題は、アメリカ軍が駐留している、そういう関係でアメリカ側としては必要だろう、必要だ、こういうんだろうと思うのですね。併しこの問題はそういう問題だけでなしに、日米間のこれは国民感情の上から言つても、これは相当私は大きな問題だと思うのですね。従つていろいろこの問題の解決についてはむずかしい問題があると思う。けれども、もう少し政治的な立場から考えて解決も促進すべきじやないかと思うのです。そういう意味で、そういう折衝をなす余地がないのか、こういう意味で言つているんです。

○説明員(福島愼太郎君) その点につきましては、これが意味いたします政治上若しくはその他のいろいろな日米関係の問題の観点から、もつと上のレベルでアメリカとの間に話合いが行われましても、これはまあ如何なる話合いでも差支えはないわけであると私は考えておりますが、ただアメリカ側がこの大阪市立大学を返さないとでも言ておれば格別でありますが、返すという根本方針はきめまして、それの運び方につきまして、兵隊が現存しているわけでございまして、これを政治的に踏み切つてアメリカ人を帰してしまうということであれば別でありますが、そこまでは行かないといたしますれば、ほかの入れ物が、施設があるかどうかということが唯一の引つかかりになつておるわけでありまして、従いまして私の見ます範囲内では、アメリカが大阪市立大学を解除する意思がないというたちの問題ではございませんので、政治的な交渉を絶対にしなければならんとも考えておりませんけれども、併し先般ここの委員長がスミス少将ともお話になりましたが、そういうことで実を申しますと十月か六月かといつたような話もそのときに初めて私どもも聞いたようなことでありまして、十月か六月ということはいやしくも本年一ぱいには返そうとか、十月にどうしようとか言つていた話はそういうほかの六月とか七月とかいうことに口にしますことによつて、殆んど十月なり本年一杯なりという過去の話は固まつたも同然だという気もいたしますぐらいでありまして、我々以外のルー卜若しくにレベルと話合いが行われますことは決して差支えないのみならず、有益であるとは考えております。

○荒木正三郎君 そこで問題は返還する意思はある、併しその時期がやつぱり問題になるんですね、そうしないと、いつ返るかわからない、こういう結果になつて、返還する意思があるということだけは実際に返つて来ないわけです。やはり時期が問題でありますので、その時期の決定ですね、こういうことを明確に我々はしてもらいたい、どうしても。そのためにはこの日米合同委員会なり、何かもう少しこの問題を明確にする機関というのはないのですか。返す意思はあるというんだが、いつ、返すかはつきりしない、これでは困るわけなんです。これを何とか解決するほかによい方法はないのですか。

○説明員(福島愼太郎君) この問題のむずかしいのは、返す意思はある、併し空家になつておるわけでなくて中に人間がいるんだから、これが片付くまで待つて欲しい。そうして、じや代りのものを作つてこの人間をそつちへ移して、これを返してくれという話になれば、これは来年はもうこの連中はアメリカに帰つてしまう予定になつておる。今代りを作るというのはもつたいいじやないかという議論が出て来まして代りが作れないという、そこで話がごたごたいたしまして、解除の時期がなかなかきまらなということになるわけでおりまして、これがもつと長期に居座るとでも何とでも言いますれば、当然に代りの施設を作ろうという問題になるわけでありまして、もつと問題が簡単になる。来年は帰るということが問題が複雑になつておる第一の原因でございます。

○荒木正三郎君 そうすると、来年は帰るんだということになれば、帰る時期がきまれば私は返還される時期もおのずから決定されると思うんですがね。その点、来年は必ず帰るということが決定的であれば、時期というものはおのずから出て来るんじやないかと思うんですよ。その点はどうですか。

○説明員(福島愼太郎君) 米国軍が、その一部分が来年から帰り始めることになるであろうということは、恐らく先方に関する限りきまつているだろうとは思いなすけれども、その時期を今から公表することはできない、又それに関連するいろいろな具体案との関係もあるという点は、私としては無理もない面もあるとは考えております。併し時期もだんだん迫つて参りますれば、そういうことも公けにし得る時期が、何もその土壇場まで来なくてもあり得るものだという見地で交渉しているわけです。

○加賀山之雄君 私どもスミス少将に会つた印象から言つて、十分好意的であることは看取される。それから日本側として合同委員会においても、施設特別委員会においても極力交渉に当つて頂いておつて、そうしてこれは先ほど須藤同僚委員から期限を付けていないじやないかということを言われたが、これは交渉の進展を一日も早くというのでやつて頂いておると思う。これは疑う余地がないんですが、そこで両方の意見が食い違つていると、むしろやり方はいろいろ方法が出て来るんだけれども、意見が一致していながら、同じように考え、お互いに理解をしていながら合同委員会までではなかなかなかそのはつきりしたことが、それ以上の、今以上のはつきりしたことが結論として言えないということは、一つはこれはどういうことなのか。軍の機密ということが主であるのか。それとも、先ほどから伺うと、予算的の措置じやないということでしたが、或いは合同委員会以上の最高司令官というような、私は日本側というよりは向う側のスミス少将以上の人にそういつた権限があつて、スミス少将ではそれ以上のことは言えないということから来るのか。或いは陸軍と海軍という関係で、所有は陸軍がしているそうですが、それで海兵隊が入つているという、陸海軍の関係でそれが言えないのか。従つてそれ以上扱うのは最高司令官とかいう人でないと扱えないというような事情に基くのか。そういう事情について福高さん、何か御意見を伺いたいと思います。

○説明員(福島愼太郎君) 先方のはつきりいたしません基本的な、根本的な動機は、やはりその軍の動きに関連があるというところであろうと思います。来年の末とか、再来年とかに、常識的には私どももぼつぼつアメリカの地上部隊の動きというものはあるのだろうと考えております。先方もそういう気構えを見せることはあるわけでありますが、さりとてそれの第一着手としてこの問題を考えるとは言つております。今その問題を明示するのは時期でないということを言つておりますけれども、やはり軍の動きというものに関連のあるという意味で先方の話も窮届なんだろうと思います。陸軍が管理しておつて、海兵隊が入るという関係で、海兵隊を臨時に入れる場所がないので、便わすのだと、プロヴイジヨナルというものが暫く入る。従つて長いことはないのだという初めの交渉でありましたが、本当にその行き場所のない海兵隊を一時入れておる。従いましてこれを海軍に移管するとか、そういう手続きもとつておりません。若干例外的な方法をとられておるわけでありますが、まあこれも私どもとしては結局これは成るべく早く日本側に返さなければならないという事情のために、そういうことになつておるのだと了解している次第であります。

○竹下豐次君 先ほどから福島長官のお話を承わつておりますと、先方においても相当に誠意を示しておるけれども、まだいつ引揚げるという確答はしておらない。併し従来は来年十月頃になつたならば引揚げることができるであろうというような心持ちであつたらしいというのが、今度は六月頃までには何とか引揚げることができるであろうというようなふうに考えられるふしもありますと、こういうふうに承わつたのでありますが、ところがその委員長のあなたがスミス少将と会われて、先ほどの報告によりますと、先ず六月頃には引揚げることができるであろうと思うというようなスミス少将の意思表示は御報告の中に現われていないのでありまして、ただ今日の状態では只今確乎たる約束をするほど進行していないが、来年の半ば頃には確定案を示すことができるであろうとこう言つておられる。この点に御両人の食い違いがあると私は思うのであります。私としては福局長官の御報告にありましたようなことを、やはり委員長もスミス少将のほうからお聞きになつたのじやないかと思いますが、正式に御報告になりましたところでは、六月頃までに引揚げようという考え方を大方持つておるというふうに察せられるような話を聞いたという御報告がないのでありまして、余ほど違う、言葉尻を捕えるわけでもなんでもございませんが、速記に載つておる御報告を見ますと、なんだか途中が抜けているんじやないか。そうなるというと確定案を示された、その確定案が六月頃示される、どんな確定案が示されるかさつぱり見当がつかないということになるのであります。それではちよつと困るわけであります。大体福島長官のお話のようにお話合いが委員長ともあつたんじやないかと想像するのでありますが、そういうふうに了解していいのでありますか。

○委員長(堀末治君) それは今報告にございますように六月という言葉は、はつきり使つておりません。半ばという言葉、而も半ばには、いわゆる確定した御返事ができるであろう、こういうのが向うさんの御返事なんです。それで恐らく私は先ほど来長官のお話を聞いておりますが、私どもは、たつた一回のこの間のお話で、長官は何遍もずうつと御折衝をなさつてのことですからその辺の受ける感じが、要するに私どもは半ば、その言葉通り受取つておるわけですが、長官となされてはずうつと前からの経過等を勘案して多少なんと言いますか、長官の今までの観察を加えてのお話だと私はさように承わつております。

○竹下豐次君 私が委員長にお尋ねしました気持ちは、半ば項に確定案を示すであろうという答えと、それから半ば頃に引揚げるであろうという気持ちを示すという答えは大変な違いがあ……

○委員長(堀末治君) そうです、そうです。

○竹下豐次君 両人の御報告に食い違いがありますので、念のために質問を繰り返しているのでありますが、今の側説明を承わりますというと、大体、大体と申しますか、福島長官の御報告のように委員長も御了解になつているというふうに了解していいわけでございましようね。

○説明員(福島愼太郎君) 私もその点ちよつと申上げてみたいと思いますが、来年の十月初めとか終りとか、そういう時期の話は前から出ております。その頃までには返せるんだからということを土台にして今日まで押問答しているのでありまして、その時期をまだ十分十月以前において来年十月幾日ということをきめることはなかなか困難だと、こういうことを言つておるのが交渉の現段階であつたわけであります。それを六月ということを言い出しまして、十月に返すとか何とかいうことを六月に確定するんだということでは、これはどちらかと言いますと話にならないことでありまして、従いまして来年の半ばとか、そいう話が出て来れば十月か十一月と従来言つておつたのが動いたと理解するより方法がないと私どもは考えております。十月に動くのを六月まで確定待たされるんでは、私どもはそれではアメリカ側の考え方には必ずしも十分な誠心があるとは考えられないというふうにも考えております。

○竹下豐次君 今長官からお話の通りに私は理解しておつたので、あります。くどいようでありますが、委員長の御報告にはその点が現われておりませんので、私どもとしては一番聞きたいことが現われていないのです。それで三カ月ぐらいでも四カ月ぐらいでも今から幾らか元の考え方よりも繰り上げてやろうというふうに向うが進んでするならば、その通り信用すれば、学生方面に対する説明などにつきましても相当にやはりいい効果もあるのじやないかと思いますが、併しそうでなく、ただ確定六月といいますか、半ばに確提案を示そうということだけでは非常にぼかされているわけなんです。

○相馬助治君 関連質問ですが、私はこれは竹下委員の場合には希望的観測を含めて、委員長の御報告をまあ進んで理解されようとする努力が含まれている。ここで問題にしなくちやならないのは、委員長の報告と、それから福島長官の報告とは、これは明らかに差違があると思う。我々としてはあの福島長官の報告こそ望ましいいわけなんです。六月頃には解決するであろうという見通しと、六月頃には解決がどういう方法でされるかという最終案が示されるであろうというのでは、これはすごい違いなんです。従つて私はここで確認しておきたいと思うのですが、私どもとしてはこの際委員長の報告は報告として福島長官の声明を可確認する、さように了解して差支えございませんですね、先ず委員長にそれを尋ね、了解をあなたにしてもらうと同時に福島さんからも名言されて頂きたいと思うのですが、失礼ですがだめ押しして頂きたいと思います。

○竹下豐次君 私も今相馬さんのおつしやいましたような意味でさつきから御質問申上げておるのでありますが、そういうような話がまとまりますと大変都合がいいわけであります。

○委員長(堀末治君) 私からお答えいたしますが、私の報告は間違つておらんと私は信じております。ただ先ほど来長官のお話を承わつておりますと、先ほど私も申上げました通り、私はスミスというかたにただ一遍お会いしただけで言葉もよくわかりませんし、そのときの通訳は、通訳のことを言うては甚だ失礼ですけれども、非常に難解でした。従つて私はまあそれだけで大体最初十月というような話がそこまで進んで、要するに申上げられるであろうということでございますから、大分向うも誠意を示して来られた、こういうことに私どもは了解しておりました。従つて長官の先ほど来の答弁は私も承わつておりますと、長官は今度初めての御折衝でございません。殊に御自身英語でお話になつておることですから、私どもの通訳を通じて受ける感じとはその辺はよほど感じは違う、従つて長官としては私どもの通訳を通じて受けた感じと長官自身がお話になつた感じとはよほど踏み込んでお感じになつているのであろう、私はかように信じて、長官のお話もそこまで行けば誠に大変結構なことだと、私もかように思つて聞いておつたのであります。

○相馬助治君 委員長の了解付きましたから、長官にやはり私はその通りだと格言を頂いておきたいと思います。

○剱木亨弘君 ただ委員長がお受けになつた感じは今加賀山君とも話しておりますけれども、我々三人としては同じでございます。それだけです。

○説明員(福島愼太郎君) 来年半ば頃には解決するであろうというふうに私どもは信じておるわけでございます。

○相馬助治君 来年半ばば頃には解決の方策が我々に示されるであろうということでなくて、来年の半ば頃には最終的な解決がされるであろうと、こういうことですね。

○説明員(福島愼太郎君) そういうふうに考えております。そうでなければ来年十月には返すという話は、これは初めからあつたのです。それを早く知らしてくれ、早く知らしてくれという交渉をしているので、その知らせるのが来年六月になるというのでは交渉逆戻りでありまして、そういう話のはずはないというふうに考えざるを得ないのであります。

○竹下豐次君 今の解決という言葉ですがね、これは来年六月頃までに引揚げるという意味の解決だろうと解釈したいのですが……。

○相馬助治君 いや違う。私らは解決ということは全面解除ということで、向うが引揚げるか引揚げないかということは我々の関知せざるところで解決されたということ、又解決しようということ、我々は全面解除ということをその言葉の概念としておるだけですね、これは明瞭だと思うのです。

○竹下豐次君 私が言うのは、その引揚げという言葉が当るか当らないか、いろいろのお考えもありましようけれども、つまり解決しなければ引揚げができないのです。ただ解決という言葉だけでは、勿論両方の話合いが解決した場合、いつから引揚げるかということをきめない限りには、半ば頃の引揚げにはならないのです。ただ解決すると、話合いが付いたと、この両方の話合いは付いたけれども、その引揚げの時期はいつかということも解決の一つの内容になるのです。だからそれじや私は心細いと思うのです。だから半ば頃には引揚げるのだという解決をはつきりしなければいけないのじやないか。但し今約束をしてなくても、そこまでは先からの話で出ておりますから、そういうのを念のためにお聞きしておるわけであります。

○剱木亨弘君 関連してですね、私ど、もの感じはそういう皆さんのお考えになるようなお気持を私も持つたのです。だから十月ということも未確定、六月半ばということも未確定の状態ではいけないから、できるだけ確定的な日時は示されないかということを向う側にお話したわけであます。  それから私は今長官に質問いたしましたのは七月に返す、半ばに返すということであるならば、その返すということをできるだけ早く確定的にきめられんかどうか、ということを今お伺いしたわけであります。で、今長官からそれはできるだけ早くするように努力するという回答を得たのであります。恐らくこれは皆さんのお考えと我々の考えと全然感じとしては違つていないと思うのです。ですから今、今日福島長官から、成るほど確約はできないと思いますけれども、今日の状態としてはできるだけ早くその時日を確定してもらいたい。これは我々の一番今日の関心事じやないかと思つて、その点をは質問したわけです。だけれども、この点は皆さんのお気持ちと僕らと余り変つてないと考えます。ただ福島長官も同じようにできるだけ早くそれを確定するように努力すると、こういう御答弁があつたわけですから……。

○荒木正三郎君 私は委員長の方向にしても、福島長官の説明にしてもですね、そう変らないと思いますよ。若干それは細かく言えば変つている点があるかもしれません。併し結局接収解除の時期が明確になつておらないのです。これは接収解除の時期が明確にならないということはですね、私は当文部委員会として折角努力して来たのに、これは画龍点晴を欠くと思うのです。従つて今の問題より以上にですね、今後はやはり接収解除の時期を明確化する。私はこの問題について政府において一層の御努力を願わなければならない。そうしなければこれは文部委員会が採上げて、若干のまあ進展は私はあつたろうと思うのです。これは委員長初め皆さん御努力の結果だと思うのですが、併し結局接収解除の時期が明確にならない。これだけではやはり当委員公としても採上げた趣旨から言つて因るのではないか。そういう意味で私は今後まだ努力すべき問題がですね、努力すべき点が非常に残て来る。こういうふうに思うんですがね。そういう点について福島長官、今後もその時期の明確化について、なおも努力せられる考えでおられるのかどうかですね、そういう点をお伺いしておきたい。

○説明員(福島愼太郎君) 来年のいつ頃になるにいたしましても、それが今日わかつしおるとわかつておらないとでは、学校に与えます安心感というもの、学生に与えます安定感というものは非常に違うわけでありまして、できるだけ早く時期そのものも、前のほうに運んで来るということも大切でありますが、それと同時にそのきまりました時期をできるだけ早く確定するということが、最もこの問題の解決に重要な問題であるという点は自覚いたしまして、できるだけの努力はするつもりででございます。

○須藤五郎君 ちよつと尋ねておきたいのですが、この学校の返還を皆さんがたが交渉したのは、いつ頃からですか。

○説明員(福島愼太郎君) これはまあ私が役人になりましてからは一年でございますが、その以前、遥か以前から行われておると了解しております。

○須藤五郎君 借金とりでもね、最初はまあ貸した金を返して下さいと言つて行くだろうと思う。そうすると向うは、はあ、返しますと言う。併しもう一年も二年にもなつていて、先方がなかなか素直に返やさんし、借主に返す期日を明示しないでいつ何時までに返して下さいということまでを切込まないというと、向うははつきり明示して来ない。だから私はさつき言つたように、今年一ぱいで返せとか、来年の三月一ぱいで返せとかいうように、期日をこつちからはつきり明示して行けば、そうすると向うだつて三月はむずかしいが、もうちよつと待つてくれという。こつちが期日を明示しないで返せ返せと言つたつて、返す意思はありますということで、期日はわからないで二年も三年も延ばされる。それでは学生は気の毒じやないか。だからあなたたちはもう少し学生の立場に立つて、そのために一日も早く返すように期日を切出して行かなければ話にならんと思う。それは借金とりでもそうでしよう。それを返して下さい、返して下さい。向うは返す意思はある。向うは入つておるから、すぐ追い出すわけにはいかんから、向うがともかく出るまで待つていなければならない。向う様本位で待つていては話は解決しない。あなたは来年六月十月と言つておるが、来年六月十月までにはどんな世界的変動が来るかもしらない。もうアメリカ軍が日本にいる口実というものは殆んどなくなつてしまつている。もう今日とうに帰つてしまつたつていい軍隊ですよ、何ら不思議でない軍隊ですよ、ああいう軍隊は。だからこちらがもう少し強く要求すればアメリカは早く帰るのです。来年十月までのんべんだらりと待つている必要はない。さつさと帰つたらいい。あなたたちは帰そうとする努力を少しもしていない。それで学生の立場に立たずして、向うさんの立場に立つてばつかりものを交渉していても埒はあかないと思う。一段と大いに関心を持つて一つ学生の立場に立つてやつて下さいよ。いつまでたつても埒はあかん。

○高田なほ子君 最後にお尋ねしておきたいのですが、文部委員会並びに調達庁の皆さんがたの大変なお骨折でどうにか回答が若干期日が早くなつたような御答弁がありました。この御答弁は考えようによつては非常に希望を持つことができるのですが、併し私はさように希望を持つてみるということは、かなり困難ではないかという気持を持つている。その理由はいろいろありましようけれども、その理由を確める二つとして御質問申上げたいのですが、来年の半ば頃までに解除をする、こういうようなことは連合軍の最高司令官の政策としての意思であるか、又そういう面から関連をされてあなたがこの席上で御答弁になつておられるのか、又最高司令官の政策ではないが、便宜的にそういうような方途もあるというような含みを持つた御回答であるのか、こういう点について明確にお示しを願つておきたい。

○説明員(福島愼太郎君) お示しの諸点を明確に申上げることはできないと思いますが、我々に関しまする限り、先方の回答者は極東軍司令部の施設問題に関しまする限り正当且つ最高の代表者であるわけでありまして、これらの人々の言つていることが誰の許可を得てどういうふうにしたというところを一々確めておるわけではございません。

○高田なほ子君 多分一昨年だと思いますが、この大阪大学の返還問題に対して特別調達庁に宛てて当局から手紙で回答が来ているわけです。その回答の内容には連合軍最高司令官の政策に従い云々という言葉が含まれている、私はそう理解している。そうしいたしますと、大学の返還問題は単なる、といつては言葉が過ぎるかも知れませんが、施設委員会並びに合同委員会という機関を通してのみ解決され得るとはどうしても考えられない。先ほどのあなたの御答弁によると、荒木委員から政治的な解決が必要ではないか、こういう問に対して、政治的な解決は必要ではないかという意味の御答弁があつたと思うが、特別調達庁に示された当局からの本校の解除問題に対しては明らかに連合軍の最高司令官の政策に従つて云々ということになつておるわけであります。当然これは一つの大きな政治的な解決を求めるよりほかに私は方法がないと思う。併し行政長官として当然この問題の具体的な事務処理に当られることは、これは論を待たないのでありますが、連合軍の政策という問題になつて来ますと、これはただ単に一行政官庁の御努力によつては解決がむずかしいのではないかということを私は心配しておるわけであります。こういう点になりますと大変来年の半ばということ、或いはそれより早めるということの希望的な観測は少くなつて来るように思うのです。長官としては今後この政策とどういう具体的な方策をとつて対処して行かれようとするのか、私はむしろあなたの政治的解決をどこに求めるのかという点について伺つておきたい。

○説明員(福島愼太郎君) スミス参謀次長が米国軍の正式の代表として施設委員会を担当して施設問題に関する限りは極東軍司令部のすべてを代表しているものと私は考えておりまして、それに米国軍の政策という問題が仮に関連いたしておるにいたしましても、それをもスミス少将としては正当に代表しているものと考えざるを得ないわけです。当然米国極東軍を代表して、いやしくも事施設提供解除に関する限りは特別な条件を先方で言わない限り、極東軍司令官以下を代表しているものと考えて、私どもは交渉している次第であります。

○高田なほ子君 そのことは私もそうだと思う。併しながら単にその施設は施設として切離してあるものではなく、極東軍の配置、それからその撤収、それらのものは、一連のやはり極東軍の政策そのものにあると思う。その政策の中で施設の面を担当しているのは施設課である。やはり大学がどうしても不便であるというのにそこにいなければならんというのは、極東軍の政策そのものの中にこういう問題があると思うので、施設を殖やすとか減らすとか移勒するとかいうのは切離して考えられる問題ではない。そういう意味では私は連合軍の最高司令部の意思として来年の半ば以前にこれを解決するという回答をしておるというふうにここで解釈してもいいか、重ねて私はお尋ねします。政策としてそういう回答をされておると受取つていいか、こういうふうにお尋ねしたい。

○説明員(福島愼太郎君) この問題の処置に極東軍司令部の政策に関連のある問題があるといたしましても、スミス少将は施設委員会の米軍代表として、そういう関連があれば当然にその面をも合せて処理しておるはずでありまして、来年の半ばまでに解決を見るようにしたいと言つておることは、あらゆることを考慮に入れての上でのことだと考えております。

○高田なほ子君 あなたの御努力のほどはよく窺えるわけでありますが、只今も本委員長の討論の中で、如何に我我が本校の解除の問題について熱意を持つているかということは十分おわかりだと思いますので、それで最後に、あなた自身としても岡崎外務大臣を動かし、政府のすべてのものを動かして連合軍の政策の中でこの問題が解決されるような政治的な折衝をお続けになつて行かれるであろうと私は推測するわけでありますが、こうした政治的な面の御努力という問題について具体的に何かお考えになつておる向はないのでございますか。そういう必要は全然ないというふうにお考えになつておられるのか、この点も合せて伺つておきたい。

○説明員(福島愼太郎君) 私どもといたしましては、私どもか事務的に扱いますよりは大臣レベルの政治的問題として扱えば必ず効果があるということになれば、当然そういう動き方も処置もお願いしなければならんと思います。私自身といたしましては岡崎外務大臣に所属しておるわけではございませんおで、外務省に何も関係ございませんので、外務大臣の処置を仰ぐ関係は日米合同委員会を通じて以外はございません。当然所管の大臣を経由してそういうことが有効であればこれはやはり勧化テみなければならんと思います。ただ先ほど来重ねて申上げておりますように、この問題がすぐには片付かなくなつておるのは極めて技術的な面であつて、アメリカ側がこれを解除したくないとかという点に問題の困難があるわけではございません。極めて具体的な問題として、中に入つておるもんお入れ場がないという問題でございますので、私どもとしてはこの問題の解決は私どもの努力でやるべきものと今のところでは考えております。

○高田なほ子君 御趣旨のほどはよくわかるわけであります。伴しあなたも御承知のように、これは大臣の出る幕ではないというお考えも一応それは筋としてわかるわけですが、御承知のように三井、三菱のようなビルを解除するのに、わざわざ池田さんがアメリカ当局と御相談をなさつたというようなことは、巻間の雑誌や、それから新聞あたりにも曾つて伝えられているところであります。こういうような問題については、政府は挙げて三井、三菱のビルを解除するという、接収のビルを解除するというような問題については、実に至れり尽せりの御折衝がされておる。学校の解除の問題については、かなり私、政府側としても冷やかに見ているような気がしてならない。これはひがみではないのであつて、どうしてもこれを解除してもらわなければならない。こういう学生諸君の気持の上からも、これは政府を挙げて、一つの政治的な問題として解決する方途の緒を、私は是非あなたに作つて頂きたい、そういう御熱意を持つてこれに対処して頂きたい。それなくしては、やはり問題の解決は、時日の遷延を来たすばかりではないか、こういうような杞憂を多分に持つが故に、得に発言をいたしまして、あなたの御決意を更に促し、又我々も一層今後共努力をしなければならない、こういうように考えておるわけであります。

○説明員(福島愼太郎君) 外務大臣の出る幕ではないと申上げたわけではないのでございまして、私どもの役所は外務大臣の系統に所属していない。従いまして、私どもが持て余したときに、訴える上のレベルは外務大臣ではないという意味のことを申上げただけでございます。なお、この問題を学校のために、又学生の身にもなつて、何とか早く根本的な解決をしなければならないという熱意につきましては、決して私自身どなたにも負けずにやつておるつもりでもございますし、今後共やるつもりでございますので、御了承を得たいと思います。

○剱木亨弘君 議事進行について。本問題についていろいろ御説明なり質疑応答があつがのですが、現段階におきましては、本日これ以上進展を見ないと思います。従つて、併し文部委員会としてはこれを以て、荒木委員の発言せられたように満足すべき結果ではないということが、考えられますし、なお今後共文部委員会としても関心を持つて行かなければならんと思います。一応本日のところは、これで本問題につきましては打切られて、そうしてあとの処置をどうするかということにつきましては、委員長及び理事に相談して頂いて、これをどういうように進めか、お任せいたしたいと思うのですが、委員長からお諮りを願います。

○委員長(堀末治君) 如何でございますか。今お聞き及びのとおり、劔木君から、今日はこの問題はこの辺で打切つて、あとその取扱いその他については、委員長並びに理事等の相談にお任せを願つたらどうかということでございますが……。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○吉田萬次君 私一言……、速記をやめてされても結構ですが、文部当局に伺つておきたいと思うのです。只今非常な長い間……。

○委員長(堀末治君) 吉田さん、文部当局だけですか、この御質問は。

○吉田萬次君 こういうことです。一方的のように考えられるが、文部当局としては、その文部当局としては直接の関係があり、最も重大な関心を持たなければならんことについて、文部当局はどういうように動いておつたか、文部当局は何をしたかというようなこと、そのことというものは一方的に今何ですね、長官にいろいろその責めるようにやつておられるように私承わつている。そういうわけで、これは直接的に、この問題について感心を持ち動かなければならないということは、私は文部省だと思う。文部省がどう動いたか、如何なる関心を持つて、今まで何をやつたかということについて、私はここでお伺いしたいのです。

○説明員(赤城宗徳君) 今のお説の通りでありますので、事務次官におきましても、常に外務省及び調達庁と密接な連絡を打つて、督促といいますか督励しているわけであります。直接その合同委員会に出るわけになつていませんものですから、実は間接になつておりますけれども、その熱意においては、文部省が一番関連を持つているのでありますし、決して熱意がないわけではない、今後共当委員会の御努力に敬服しながら、継続して熱意を持つて一日も早く解除の方向へ持つて行きたい、こういう強い気持を持つております。

○吉田萬次君 そこでですね、私は具体的にこれを考えますると、かように学生が困つているということであつたならば、今までこれに対して、このほかのところへ学生を分散させるについて、文部省はどんなに骨折つたか。市立であるがために、文部省に直接関係のない学校として、まあ市のほうへお任せになつたのか。文部当局としてはこの監督の任に当るという立場から、これに善処するように、今までどういう方途を講ぜられたかということを承わりたい。

○説明員(近藤直人君) お答えいたします。文部省といたしましては、先ほど政務次官からお答えございました通り、直後合同委員会にも出席いたしませんし、又調達庁のほうとも直接の関係ございませんので、間接的に接収の解除につきまして、今日まで関係省と折衝して参つているのでございます。で、市立大学につきましては国立大学と迷いまして、市立大学でありますから、特に差別扱いをするというようなことは毛頭ございませんので、文部省といたしましても、国立大学と同様に、非常に関係を持ちまして、一日も早く接収解除されまして、これが平常の授業ができるようにということを念願をして参つているのでございます。ただ先ほど申上げましたように、やはり何と申しましても、これは接収解除につきまして権限を持つておりまする調達庁並びに白米合同委員会の委員のかたがたのお力によらねばならんことでございますので、その方面に対しましていろいろ資料を提供し、或いは請願をするというような方法で参つて来ているものでございます。

○吉田萬次君 私はどうも腑に落ちませんですが、成るほどその調達庁のほうへ御交渉になり、いろいろな努力をしておられるという即ち形式伯な事柄は了承いたします。併しながら具体的に、お気の毒であるがために、どこの学校へどういうふうにしているとか、或いはどこの学校がどういうふうになつているという内容まで調査して、これを検討せられたことがあるかどうか。

○説明員(近藤直人君) 今までの従来の接収解除の状況でございますれば、これはこちらの文部委員会の非常な御協力によりまして、幸いにして接収解除が漸次進展いたしまして、只今大学として接収解除になつておりませんのは、この大阪の市立大学だけでございます。その他例えば東京大学の一部とか或いは国立の一橋大学でございますが、その一部のものが接収になつてはおりますけれども、教室そのものが接収になつているのはこの市立大学だけでございます。或いは付属のプールが接収になつたとか、運動場の一部が接収になつたというふうなものはございますけれども、教室そのものが接収になつて、授業に差支を生じているというのは、この市立大学だけでございまして、この点につきまして、私どもいろいろ先ほど申上げましたような方向に向つて骨折つておりますが、具体的に文部省自体として手を打つているというようなことはございません。

○委員長(堀末治君) それでは先ほど劔禾委員から御発言になりましたあの点は、御賛成が多いようでございますから、あの通り決定して差支ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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